2020/10/09

飲食店のキラーメニュー作り(1)五感を刺激する演出方法

「本物感で商品価値を上げるコツ」

①   器の演出で本物感を出す

飲食店では料理の味もそうですが、どんな器で盛り付けて提供されるかもキラーメニュー作りの大きなポイントです。例えば、居酒屋で提供される串揚げですが、陶器のお皿で出されるよりステンレスのバットで提供されるほうが本場大阪の串揚げの雰囲気が出て揚げたて感も出ます。(業態によって異なります。)刺身の盛り合わせであれば木の桶、寿司の盛り合わせであれば木ゲタなどを使うと職人が作った感じがして本物感がアップします。 このように、器を選ぶ際には値段・おしゃれという視点だけではなく提供する料理の本物感がどれだけ演出できるかも含めて選ぶといいでしょう。

②   魚はマルで、提供する

例えば、魚料理を取り扱う飲食店の場合ですが、刺身の盛り合わせや煮つけなどはなるべく魚をまるで使うといいでしょう。そのほうが、魚の本物感、鮮度感、ボリューム感が出せるからです。焼き魚は尾頭付きで提供するとか、刺身の盛り合わせに入っている貝類は殻を使って提供すると、より本物感や鮮度感が演出されるでしょう。 野菜料理も同様です。例えば、焼きそら豆は皮付きのまま提供すると取れたての野菜の感じがしておいしさを演出することができます。

③   調理方法で鮮度感をアップする

例えば、寿司屋など魚を扱う店舗で魚をさばくときに切り方ひとつで刺身の鮮度感が変わります。鮮度を良く見せるためには、刺身の角がきりっと立つような立体感のある切り方をすると旨味を逃がすことなく見た目もきれいでおいしさを演出することができます。

つまり、どういう提供の仕方をすれば食材の本物感、鮮度感が出るかをイメージして視覚や触覚を刺激するような盛り付けなどを演出することがキラーメニュー作りポイントの一つです。

 

 

Text by

秋本 純一

理事 / FRS コンサルティング 主宰

秋本純一

“銀座 マキシム・ド・パリ”にてフランス料理の基礎を学び、その後数々のレストランやカフェなどでメニュー開発及びホール接客や店舗運営のノウハウを学んだ後、2013年に株式会社 福寿園に入社。翌年、“ふれんち茶懐石 京都 福寿園茶寮 東京駅グランルーフ店”の料理長に就任。2020年2月に退職後、株式会社プロスパーダイニング 取締役総料理長に就任。