2016/05/01

「いま何をすべきか」外食企業が目指す方向性を探る!(竹谷稔宏)

 

いまや外食産業に関わらず社会的経済成長の鈍化とともに、先行きが不透明な時代に突入してしまったといっても過言ではないだろう。

ましてや業界を牽引する大手企業でさえも、企業を成長させる起爆剤のアイデアや戦術がないことなど、ともかく売上の現状維持することに躍起になっているのが現実であろう。いわば、現状維持は不安が募るばかりであり何かをしなければ売上は低下するという危機感と不安の狭間にある。

これまでも外食企業が活性化するためにはどのように新しい方向性の舵をとればよいのか、幾度となくブログで述べてきているものの、現実の販売促進や戦術はあたかも予測できるがごとく「ゴテゴテ」に回っていることが現実であることを忘れてはならない。

例えば、数年前の「牛丼の低価格戦争にやっと終止符が打たれた!」これは外食業界の誰もが思っていたことであり、低価格化から脱却することの既存店の売上低下や客数減少が、企業戦術としてしは無策な手法を継続してきた理由の一つであろう。しかし現在では、新メニュー開発と客単価を上げるための戦術に変化してきている。

つまり低価格という安売りで顧客を集客することは、もはや客数増には繋がらないことや現実的には長い低価格化は企業継続をするための痛手としてボディーブローに効いてきたことを肯定したことである。

ではこれから企業はどこに向かっていけばいいのかあるいは何をすべきなのだろうか!
よく先行きが見えない場合には、過去の現実や成果検証や分析が重要視されてきたが、今日のように生活者のライフスタイルや消費動向が不明確である場合はあまり過去のデータや情報を分析することは意味をなさないこともしばしばある。

これからの外食企業に求められることは、時代の変化やニーズに合わせた迅速な対応であるとともに、常に生活者のプロモーションや戦術に対する情報分析をすることであろう(生活者の動向やライフスタイルの変化の情報を知ること)。

ただ無作為に過去の好調時の情報を分析してもその内容を次の時代への新しい企業戦略として変化、反映させなければ何の意味もなさないことだ。もはや小手先の低価格戦略やカタチだけの戦術では企業の活性化に結び付かないことを理解しなければならない。

将来へ向けての戦略の一つ目は、アジアへの進出に新たな市場を見いだすこと。すでに大手企業はアジア各地に展開の布石を打っていることは周知の通りだろう。アジア圏のどこに展開のクサビを打つかは十分に検証し、まずはアジアそのものを理解することから始めることだろう。安直な勢いで進出しても文化、習慣など業種・業態の内容によって展開の障壁は大きいことを忘れてはならない

二つ目は時代のニーズに合わせた新業態開発を模索することであろう。しかしあくまでも小手先の業態では直ぐに飽きられてしまうことを忘れてはならない。

生活者が食に求めたているものは何かを具体的に分析し、流行ではない生活者のライフスタイルに密着した業種・業態の開発こそ、企業活性化の起爆剤に繋がるだろう。

三つ目は既存店の活性化を図ること。これもなんども述べているように、業態名称の変更、内装デサインの部分改修やメニュー改善の域では活性化には繋がらない。あくまでも立地に合わせた、そこ来店してくる生活者にとって必要不可欠な店づくりを目指すことが活性化の糸口を見出すことに繋がるだろう。

いわば、企業は経営継続してこそ、企業目的や社会的役割達成することに繋がることを配慮すれば、これからも企業として成長していかなければならない。その目標達成のためには、手段や体裁に目を瞑ってきたことも多々あるだろう。

しかしこれからの新しい時代を迎えるにあたって、過去の手法や戦術を引きずっていても新たな発想やアイデアを創出することにと繋がらないことを忘れてはならない。

一年という月日は、一日を365日積み重ねたものであり、目標を立て、その目標を達成するための戦略、戦術を具体的に現場に生かさなければあっという間に!月日は流れてしまうものであり、厳しい時代であるからこそ、トップマネージメントの力量が問われる時代でもあることだ。

今後2~3年の中期戦略を持っていなければ企業としての将来は期待できないであろう。常に時代の変化とともに、生活者ニーズはどのように変化してくるのか、継続的に求められるニーズや志向など企業が目指さなければならないキーワードは周りに転がっていることである。

そのキーワードをいかに企業の活性化に生かしていけるかが、厳しい時代に生き残っていける企業になることを理解しておこう。企業という船の舵をとるのはトップマネージメントであり、トップの創造力に委ねられていることを実感するべきであろう。

「時代は常に動いていることを肌で感じ続けることこそ」時代に適合した業態発信ができることを肝に銘じでおこう。

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