2016/11/01

「メニュー開発に力を注がなければならない理由」

 

天候不順は10月も続き、阿蘇山の噴火で野菜の価格どころか品物自体が無いという状況でした。

どこの飲食店も苦労なさったようです。天候不順が続いて野菜の高値が続くと年末が厳しい状況にならないか心配です。

さて、メニューの話しの続きです。前回、今のお客様は「頭」が外食をしていると書きました。お客様はその料
理や飲み物にこだわりやコト、サービスである知識や経験を評価します。再度言いますが、都市部において定番メニュー数の多い店はあまり評価されない。「なんでもあるは、なんにも無い」ということになっていると思います。

ニュー開発というと、業態・コンセプト・利益・客単価・構成を検討しながら開発してきていると思います。
業態とコンセプトに合っているか、原価を考慮して利益は取れるか、想定する客単価や想定するお客様の飲物杯
数や料理の構成を邪魔しないかを考えて開発するものです。脱線しますが、旬のものだからといって行き当たり
ばったりとメニューを投入するのが一番愚かです。現在のメニュー開発はストーリー、インパクト、WAO、ウチコレ、写真です。前提として申しておきますが、料理、飲料とも「美味しい」というのが大前提です。味なんかどうでもよいと捉えられたら本末転倒です。

(1) ストーリー

ファーストフードでも産地だけでなく生産者を前面に出している時代です。宮城県の会社は、使う主材料は宮城県産か広げても東北の物しか使わないということを基軸に展開しています。材料だけではありません。地域をフューチャーした店も増えてきています。この現象はお客様に訴えかけるストーリー、物語性がないとお客様に響かない時代になっています。私の家の近くに出店した「何でも美味しいと思う料理を造る」という店はあっという間に潰れました。店の成り立ちも、ユニフォームさえもそこにストーリー性のないものはお客様に響かないと思います。私はクライアントにストーリー性のない商品は造るな、造った商品にストーリーを付けてくださいと指導しています。

(2) インパクト

お客様が店に行った翌日にどれだけの料理や飲料、内装やサービスを覚えていると思いますか。お客様が来なくなるということは忘れられちゃうということです。お客様の記憶に残る料理、飲料を開発しなければなりません。また残るようにサービスしなければなりません。

(3) WAO

私はMake WAOと表現しています。だいぶ前ですが、マクドナルドさんがMake it Wowというキーワードを展開しましたが、私の方がその2年くらい前から言っています。お客様のテーブルに料理や飲料を提供した際に、お客様の会話が思わず止まりその料理や飲料に全員の視線が向かう。そんな商品でなければ駄目だと思っています。全商品がそうだと言っているわけではありません。一つで良いからお客様のWAOを創りだすことが必要な時代です。

「インパクトを一緒?」だとお思いかもしれませんが「WAO」はサービスでも創りだせるので分けています。
メニュー開発とは、顧客にそれだけの強いメッセージを訴求するものでなくてはならないことを
理解してください。
「興味、好奇心、驚き」こそ、メニュー開発の大切なポイントなのです。

 

Text by

出 和樹

KHMコンサルティング 代表

一般社団法人日本フードビジネスコンサルタント協会:専務理事
研修担当
フードビジネス・ハイジーンコントロールコンサルタント